AWS S3は、静的なウェブサイトを簡単にホスティングできる便利なサービスです。
本記事では、AWS S3を使った静的ホスティングについて、具体的な利用シーンや設定方法、メリット・デメリットを分かりやすく解説します。
あくまで説明記事なので、実践した記事は、以下を参考にして下さい。
1. 静的ホスティングはどんな場面で利用する?
サーバー側の動的コンテンツなどは、EC2などを利用すると思いますが、S3でWebサイトをホスティングする際には、どのようなケースが考えられるでしょうか。
一例ではありますが、次のような場面で利用されます。
- 個人のブログやポートフォリオサイト
→HTMLやCSSだけで構築された小規模なウェブサイトの公開に最適です。 - イベントページやランディングページ
→期間限定のプロモーションやキャンペーン用のウェブサイトを簡単に公開できます。 - フロントエンドアプリケーションの配信
→ReactやVue.jsなどで作成した静的なSPA(Single Page Application)をホスティングできます。でもアプリやユーザーからフィードバックを得るためのベータ版でも利用されます。 - ドキュメントやマニュアルの公開
→技術資料や製品マニュアルなどの静的コンテンツを配信するのにも便利です。
2. AWS S3とは?静的ホスティングに最適な理由
AWS S3(Simple Storage Service)は、オブジェクトストレージサービスであり、データを安全に保存し、いつでも取り出せるのが特徴です。静的ホスティングに適している理由は次の通りです。
- 簡単でスピーディな公開
ファイルをアップロードし、設定を少し変更するだけでウェブサイトを公開できます。 - コスト効率が高い
月額コストが非常に低く、小規模サイトであれば数十円〜数百円で運用可能です。 - スケーラブル
トラフィックが急増しても、自動で対応するため安心して運用できます。 - CloudFrontとの統合
CDNを利用すれば、グローバルに高速配信可能で、HTTPSも簡単に設定可能です。
3. AWS S3で静的ホスティングを始める前に検討すべきこと
S3で静的ホスティングを始める際には以下を検討しましょう。
- ドメインの使用
独自ドメインを使う場合、Route 53や他のドメイン管理サービスで設定が必要です。 - HTTPS対応
静的ホスティングではデフォルトでHTTPSが提供されないため、CloudFrontを使って対応するのが一般的です。 - セキュリティ設定
ファイルやバケットをパブリックにする必要があるため、不必要なアクセスを防ぐポリシー設定が重要です。 - 動的機能の有無
動的な機能(ログインやフォーム送信など)が必要な場合は、バックエンドやサーバーレスアーキテクチャを組み合わせる必要があります。
4. S3バケットの作成と静的ウェブホスティングの設定方法
手順1:S3バケットを作成
- AWSコンソールにログインし、「S3」を開く。
- 「バケットを作成」をクリック。
- 必須の設定を入力:
- バケット名(例:
my-static-site
) - リージョン(主なユーザーがいる地域を選択)
- バケット名(例:
- 「バケットの設定」でパブリックアクセスブロックを解除。
手順2:静的ホスティングを有効化
- 作成したバケットの「プロパティ」タブを開く。
- 「静的ウェブホスティング」を有効化し、以下を設定。
- インデックスドキュメント:
index.html
- エラードキュメント(任意):
error.html
- インデックスドキュメント:
手順3:ファイルをアップロード
- 「オブジェクトの追加」から、HTML、CSS、JavaScriptファイルをアップロード。
- 必要に応じて、パブリックアクセスを許可する。
手順4:ウェブサイトを公開
- バケットの「プロパティ」タブで、静的ウェブホスティングのURLを取得。
- 例:
http://my-static-site.s3-website-us-east-1.amazonaws.com
- 例:
- ブラウザでURLを開き、サイトが表示されるか確認。
5. AWS S3静的ホスティングのメリット
- 低コスト運用
無駄なサーバーリソースを使わず、従量課金制で無駄がありません。 - 高可用性と耐久性
AWSのインフラ上で動作するため、データの紛失リスクがほぼゼロです。 - 簡単な管理
ウェブサーバーの設定や保守が不要、初心者でも簡単に運用可能です。 - グローバル配信
CloudFrontと組み合わせることで、世界中のユーザーに高速で配信可能です。 - スケーラブル
突然のアクセス増加にも自動対応可能です。
6. AWS S3静的ホスティングのデメリット・注意点
- HTTPS対応が標準ではない
HTTPSを利用するには、CloudFrontやACM(AWS Certificate Manager)の設定が必要です。 - 動的コンテンツが扱えない
PHPやPythonなどのサーバーサイドスクリプトは使用不可。必要に応じてLambdaやAPI Gatewayを併用します。 - パーミッション設定が煩雑
公開設定を間違えると不要なファイルが公開されるリスクがあるため、設定に注意が必要です。 - カスタマイズ性に制限
S3自体にはウェブサーバーのような柔軟な設定機能がないため、独自の要件には不向きです。
まとめ
AWS S3による静的ホスティングは、シンプルでコスト効率が良く、さまざまな用途に対応できます。一方で、HTTPS対応や動的機能の不足といった課題もあります。これらを考慮した上で、自分のプロジェクトに最適かどうかを判断しましょう。
ぜひ本記事を参考に、AWS S3での静的ホスティングにチャレンジしてみてください!
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